「さようなら」~ それは 日本の美しい 言葉と作法
「さようなら」~ それは 日本の美しい 言葉と作法
"日本の美しい 言葉と作法"(野口芳宏著 登龍館発行)とは、私がいつも教室で子供たちと音読している本の中の一冊です。「第一章 言葉 美しい言葉は 美しい心を育てます。 優しい心で 正しい言葉を贈りましょう。」で始まるこの本を子供たちと音読すると私もそして子供たちも、何とも言えない清々しい気持ちになれます。子供たちに一言添えて伝えてあげたいと、改めてその内容についてわたくしなりに調べてみることも少なくありません。
「有り難う」や「戴きます」、「ご馳走様でした」など、普段何気なく使っている挨拶にも、日本人ならではの考え方や深い思いが込められています。
「さようなら」もまたその一つです。世界的に広く使われているのは、Good by(God be with you)=「神のご加護を」やSee you again「また会いましよう」です。現代では、わたくしたちも日常の「さようなら」は「さよなら、またね」という意味で使うことが多いですね。「さようなら」の語源を辿ると少し違った思いが込められていることを知りました。
さようならの"さよう"は"左様"と書きます。つまりそれまでの事柄を受けて「左様ならなくてはならぬ故、お別れします。」というのが「さようなら」本来の意味なのです。この短い言葉の中には、「そうでなければならないならば、分りました。お別れいたしましょう。」という悟りや潔い諦めの気持ちが込められてます。
そこには、明らかにGood byともSee you againとも違う、思いが感じられますね。日本人の持つ、無常観や死生観とも通ずるものがあります。 私の大好きな言葉に「縁尋機妙」「人は逢うべき人には必ず出逢う。 それも一瞬早過ぎず、一瞬遅すぎず。」があります。尊敬すべき素晴らしい人々、愛すべき人に出逢った時にも、それからそのような方々とお別れしなければならなくなった時にも、この言葉をかみしめ、自分に言い聞かせるように思い出す言葉です。
アン・モロー・リンドバーグ(米・女流紀行作家)は「さようなら」の本来の意味を知り、「あなたの国には"さようなら"がある。わたしは、これほど美しい別れの言葉を他に知らない。」と語っています。 私は、さようならの本来の意味を知り、これまでの人生で経験したいくつかの忘れられない"別れ"を思い出すと同時に、今までよりずっと「さようなら」という、この短い言葉が好きになりました。
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